FC2ブログ
自給的暮らしに向けての軌跡。
page top
愛は惜しみなく奪ふ
少し前の記事になります。


四月になってすっかり春めいてくると、土手や河原や山道を通る度に、目を凝らしてある期待で胸をときめかせている奴らがいる。
そんな場所を通る度、奴らは決まって思う。

「イタドリ生えてないかなぁ。」

そう、奴らとは高知県民のことである。
イタドリを見つけた途端、高知県民の脳からはアドレナリンがドバッと吹き出し、目はイタドリしか見えなくなる。
心臓の動機は限界寸前まで上がり、毛穴も開き、鼻の穴もトンネルのごと開く。そしてどんな崖の先端であろうと岩山であろうと人前であろうと、嬉々として駆け出していくのである。


高知県民はイタドリが好きすぎる余り、県内ではもう殆ど取り尽くしている。
生えてくる度に大人も子供も取るので、株は年々小さくなっているように思える。来年の為に取らずに残して置いた方がいいのに、ブリブリ太ったイタドリが目に入ったが最後、噴出するアドレナリンに逆らうことができないようだ。

県内でイタドリを取り尽くした高知県民は、次に県外へと迷い出る。最もよく狙われるのは徳島県である。

イタドリをどうしているのかと言うと、食べるのである。
一本二本ならばその場でガリガリと齧り、大量に採れた場合は売ったり、塩漬けにしたりする。


(産直で売られるイタドリ。これで一束200円)

ほんで、塩で水分をとったり、水に長期間晒して灰汁抜きしたりとかなりの手間暇をかけて、一年中イタドリを食しているのである。

ヨーロッパの方ではイタドリが帰化して大繁殖して困っているらしいが、高知県民を放すといい。奴らは採って採って採りまくって、取り尽くした頃にやっと気づくであろう。
「この大量のイタドリ、どうするの」と。


もちろん、高知県民のアカネもご多聞に漏れず、イタドリ命である。イタドリの為ならどんなことでもする。絶対にイタドリのことは忘れない。

実は、去年友達の結婚式が香川県であったとき、式場は見晴らしのいい山の上だった。アカネは道中の山道にイタドリの殻があることをしかと覚えていたのである。


そんな訳で、今年はマイカーを持ったこともあり、Jhonが香川県に行く用事に便乗して、イタドリ狩に出かけた。
Jhonはイタドリの場所を覚えていなかったが、アカネは完璧に記憶していた。普段何しに立ち上がったのかも忘れるくせに、イタドリの生育場所に関しては自分でも驚きの正確さであった。

アカネは採って採って採りまくった。産廃の広場にも分け入り、フェンスを乗り越え、山道をさすらった。

また、Jhonの用事で寄ったお友達くの近くにもイタドリパラダイスを発見したりして、そこでも目ぼしい物は取り尽くした。

アカネは大満足で帰って来た。
もうとっぷり日がくれている。それに二人とも疲れ切っていた。
イタドリの処理は明日しよう....。
アカネはそう思って眠りに落ちた。


しかし、本当に大変なのはこの下処理であった。
次の日、アカネは昼前から皮を剥き始め、Jhonに付き合って昼食を食べた後もまた黙々と剥き続け、途中ミスチルを聴いたりハイロウズを聴き持って剥きまくり、夕飯の支度もほっぽってまだイタドリの皮を剥いだ。
ぬるま湯に漬けたイタドリを剥ぐので、指はおばあちゃん以上にしゅわんしゅわんになり、爪も痛くなってきたけどまだ剥いだ。

でも、この時点で半分ぐらいしか終わっていなかった。
(もうかれこれ七時間は経っていた。)

それに、気づいたんやけど、この後塩漬けにするがにニガリと漬物用のビニール袋が要るがやって、運転が大嫌いなアカネは全ての作業を中断して夜中買い物に出なければならなくなった。

その後昼から出かけていたJhonが帰って来て、パスタを作ってくれて、昨日香川から持ってきた荷物を二人で片付けて.....

ってした後にまた一人でイタドリの皮を剥いで、出来たヤツから塩漬けして行って、ってしなければならなかった。
孤独過ぎた。
剥いでも剥いでも終わらない。もう眠い。体もしんどい。
今日は10時間以上こんなことをしている。けれどまだ終わらない。
もう私が悪いのかイタドリが悪いのか解らない。

1時になった所でアカネはギブアップした。
次の日は平日だったので、朝やっとの思いで起きて木工所に行き、帰って来て家事をしてまたイタドリをむこうとした。

しかし。


採って来て三日目になるイタドリは、もはや先端まで硬くなっていたのである。
野菜や山菜が硬くなって食べれんなることを「あぎる」と言うんやけど、完全にあぎてしもうちょった。

アカネは口惜しさに打ち震えながら、残りのイタドリを庭に捨てるしかなった。


さて、あと一週間も経てば、仮漬け終了。本漬けに入る予定です。
イタドリの保存は初めてやけど、正しい高知県民として今年はシャキシャキの美味しいイタドリ料理を作っちゃいますよ☆
スポンサーサイト



© 啓蟄の候(けいちつのこう). all rights reserved.
Page top
FC2 BLOG