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読書感想文『プロメテウスの罠2』
 朝日新聞の『プロメテウスの罠~明かされなかった原発事故の真実』がすごく面白かったので、さっそく二作目も図書館で借りて読んでみました。

プロメテウスの罠 2プロメテウスの罠 2
(2012/07/03)
朝日新聞特別報道部

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 内容は、私たちがすでに知っている原発事故の詳細をつまびらかに取材していた一巻とはうって変わり、一般に知られていない核のゴミの再処理について、電気料のからくり、元炉心技術者の告白などに取材の重きが置かれています。

 特筆すべきは、第八章の“英国での検問”でしょうか。

 1977年に、日本の原発で出た使用済み核燃料を、イギリスとフランスで再処理する契約が結ばれました。

 2007年の時点で、フランスから高レベル廃棄物をガラスの固化体にしたものが、1,310本日本に戻ってきています。
 これらのガラス固化体は土中に永久保存するための仕様ではなく、もう一度燃料として使うためのものです。(ちなみにもんじゅの高速増殖炉という理論は非常に難しいため、イギリスでは研究をやめてしまいました。もんじゅも2兆円以上つぎ込んでいますが、いまだ実用化の目処は立っていません)
 
 さて使用済み核燃料を、MOX燃料(ウランとプルトニウムを混ぜて一般の原子炉で燃やせるようにしたもの)にして日本にフランスから輸送してくるわけですが、『プロメテウスの罠2』ではMOX燃料の値段を試算したデータを載せています。

 2009年 浜岡原発に運ばれたMOX燃料は、1本260kgで約3.3億円。

 2010年 大飯原発に運ばれたMOX燃料でない再処理燃料は、1本670kgで約1億9百万円。

 MOX燃料は、プルトニウムを含むため、輸送船の安全対策にすごくお金がかかるのです。テロリストにプルトニウムが奪われたら、核開発につながりかねません。そのため、輸送船は護衛船と共に、自らも大砲などの武器を装備しているのです。
 *とはいっても、船会社は、人件費・燃料費・維持費などに利益を上乗せした金額を請求すれば、確実に払ってもらえる契約になっているので、日本への輸送は年に1~2回でも29億円の売り上げを出しています。


 なぜこういうことを特筆すべきとしてブログで取り上げているかというと、

 日本での核廃棄物の処理、イギリスとフランスと交わした高レベルの核廃棄物の再処理など、原発は見えないところにお金がかかり続け、それが電気料金に上乗せされているから です。

 さらに、選挙で原発反対の候補と推進派の候補が戦う場合に、推進派の候補が勝つように援助したり、原発のある自治体にお金をばら撒いたりと、他にもたくさんの発電とは関係ないところでお金をかけているのです。

 そしてそれが、やっぱり電気料に上乗せされているのです。


 日本では電力会社を消費者が選ぶことはできません。言い値で電気を買うしかないのです。

 
 ・・・・原子力発電が低コスト????

 これは絶対に嘘だと私は勘ぐっています。

 使用済み燃料のこと、解体費、立地にあたっての様々な賄賂、そして永久に解決しない核廃棄物にかかるお金を考えたら、石油を輸入して火力発電をするほうが安いに決まっています。

 さらに地熱発電とか、これからもっと低コストでできるクリーンエネルギーも発明されるでしょうし、日本の優秀な技術者が本気でやったら、短期間で原発に変わる発電を開発できるはずです。
(日本の技術者舐めちゃいけません。)

 今までクリーンエネルギーの開発が進まなかったのは、助成金の多くが原発に流れていただけだから、と私は思っています。
 フクイチやもんじゅや、核のゴミなど永久的な問題もあるけど、これからの日本の新しい電力に、私は期待もしています^^


関連記事→読書感想文:『プロメテウスの罠~明かされなかった福島原発事故の真実』

プロメテウスの罠: 明かされなかった福島原発事故の真実プロメテウスの罠: 明かされなかった福島原発事故の真実
(2012/02/28)
朝日新聞特別報道部

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読書感想文:『プロメテウスの罠~明かされなかった福島原発事故の真実』
きっかけはJohnにいつも口で負けてしまうことから、(彼は常識とか理詰めで説き伏せてくるので私はいつの間にか丸めこまれて?いる)、賢くならねばと奮起したことでした。
つまり、暇な時に図書館で興味のある分野の本を借りて来て、知らなかったことやわかったことをさらに暇な時にノートに書いているのです。
(あたしって賢い!!天才!!!)

で、どうせなら私がわかったことを他の人とも共有しようと思った訳です。政治的なこともあるので注意深くならざるをえませんが。

今回紹介するのはこの本です!

『プロメテウスの罠~明かされなかった福島原発事故の真実』
朝日新聞特別報道部=著 Gakken 2012.3.26


プロメテウスの罠: 明かされなかった福島原発事故の真実プロメテウスの罠: 明かされなかった福島原発事故の真実
(2012/02/28)
朝日新聞特別報道部

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第一章 防護服の男
…浪江町の避難所に集まった住民たちを主人公に、3月12日からどう過ごすことになったかを取材しています。

第二章 研究者の辞表
…放射線衛生学の専門家木村真三氏を中心に、彼の友人の報道人や大学教授たちを取材しながら、地震の直後から任意で放射線を観測した人々が居たにも関わらず、多くの人々が測定した放射線が国民に知らされなかった経緯を書いています。

第三章 観測中止令
…世界規模で半世紀以上も放射能観測をしている、気象研究所が、気象庁から2011年3月31日に突然放射能の観測を止めろと言われました。
早急に放射線の観測をしなければならない箇所が増えたため、明日から予算を回せないというのが理由だったそうです。
また、研究所の専門家たちがネイチャー誌に海洋の放射線量の推移を発表しようとした時、所長から潰された事実も載せています。
放射能の観測は、研究者たちの意地によって続けられ、現在は予算は下りているそうです。

第四章 無主物の責任
…広島でご自身も被曝しながら被曝者の治療にあたってきた、肥田俊太郎医師に取材し、内部被曝の可能性を書いています。
肥田氏は、「これから福島で、広島や長崎と同じように苦しむ人々が出てくる」と断言していました。

第五章 学長の逮捕
…チェルノブイリ事故の後、被爆者たちを解剖し、放射性物質の身体への溜まり方を調べた医師に取材しています。
ウクライナにも取材に行き、内部被曝を減らすためのウクライナの取り組みなどを紹介しています。
(ウクライナと日本の食べ物の基準を比べると、日本は相当甘い。)

第六章 官邸の五日間
…ネットのレビューでも最も評価が高かった記事です。3月11日からの混乱ぶりを赤裸々に暴き出しています。
対策本部にフクイチの地図すらなく、保安院のトップたちが テレビと記憶を頼りに情報を集めていたとか怖すぎです。


この本は、朝日新聞の長期連載を書籍化したものです。
詳しくは各自で読んでもらうとして、私がこの本から分かったこと。

1、なぜSPEEDI(放射性物質拡散予測システム)が活用されなかったのか?

原発事故の対策本部は、現場に構えられると防災マニュアルに規定されています。SPEEDIを使って避難区域を決めるのも現地対策本部です。
実際フクイチから5キロの地点で作られはしたものの、通信回路の途絶や余震によって、要員も集まりませんでした。そこで保安院は経済産業省別館にて対応センターを作り、SPEEDIで拡散予測図を作っていました。

一方そのころ、官邸は官邸で、現地対策本部が機能しない以上、自分たちが避難区域を決めなければならないと考えていました。
首相の周りには保安院のトップたちがいたにも関わらず、誰もSPEEDIのことを進言した人はいませんでした。

そして官邸対策本部は、原発から同心円上に避難区域を設定し、経済産業省の対策チームよりも先にそれを発表してしまいました。
その結果、20キロ以上の場所へ逃げた人々も多くが被曝してしまったのです。

アメリカが日本政府よりも先にSPEEDIの結果を知っていたのは、日本の外務事務官を通じて放射能の拡散予測をメールでもらっていたからです。
その頃日本政府は130億円もかけて作ったSPEEDIの存在すら知らぬまま、場当たり的に避難区域を作り、大慌てでベントをしてしまったのです。


2、菅首相がフクイチへ視察に行ったから、ベントが遅れて爆発した?

これは単にネットで言われる個人的見解ですが、実際どうなのかなぁと思っていました。
実際は、原発で起きている情報が全く入って来ず、(首相は原発の爆発をテレビで知った)、保安院長の寺坂氏は経済学部出身であるなど、周りの官僚たちも頼りになりませんでした。首相は自分の人脈から、信頼できる人を集めて対策本部のメンバーにしました。
痺れを切らした首相は、現地で何が起きているのか責任者と話すために、ヘリでフクイチへ向かいました。

ベントがなかなか出来なかったのは、ベント弁を開くための電源が喪失していて、手動で開けなければならなかったのに、線量が高くて人が近づけなかったためです。実際、ベントを開けに行った決死隊の一人は100ミリシーベルトを浴びています。(その後どうなったんでしょうか……)

原発事故は誰一人として想定していなかったため、重要なポストを占めていた人々は原発に詳しくない人も何人かいましたし、そもそもの危機管理体制がまったく整っていませんでした。
あの時の、枝野官房長官の楽観的発表は犯罪だと思います。
(この本では、官邸の対策本部が、放射能の危険性やどれだけ放出されるかなどをわかって対応していたのかどうかは不明)

私は、人間が原発を扱う以上、これから先も世界各地で事故は起こると思っています。
そして危機管理能力の欠如や隠蔽体制は、日本やソビエトだけではないと思っています。

そしてフクイチはまだまだ危険なままです。

放射能に汚染された冷却水の処理、海水を注入した原発の腐食、これから難しくなるであろう専門家の確保、高濃度放射線に阻まれた破損した格納容器、そして使用済み燃料が1500本以上残ったままの四号機。

なんか私たちは最近は原発のことを考えなくても生きて行ってるけど、危険はちっとも減ってないんですよね。

今回の教訓が、これから先の日本で、絶対に絶対に、活かされますように。

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タイムスクープハンターが熱い
私は悩んでいます。
NHKの歴史ドラマ、『タイムスクープハンター』にはまり再放送を希望し続投も待ち望んでいるにも関わらず、
受信料を払いたくないのですが、どうすればいいのでしょうか。


みなさん、タイムスクープハンターという番組を知っていますか!?
もう終わっちゃったんですけど、深夜番組にしては大好評で、第4部まで出来てついにDVD化しました。


見切り仕立てのドラマの毎回の主人公は、平安~明治ぐらいまでの庶民。
あるときは加賀藩から江戸まで氷を運ぶ飛脚、
またあるときは城攻めから落ち延びる正室と次女、
またあるときは紛争の調停に駆け回る町人など、
歴史上注目はされないけど懸命に生きていく一般人に光を当てています。

それのどこがおもしろいかって??


役者もスタッフも監督も マ ジ なんです。

マジに、月代剃ってます。落ち武者なんて月代伸び放題です。
マジに褌締めてます。
マジにお歯黒塗ってます。そして繭も落としてます。
着てる着物ボロッボロです。
役職や、江戸後期になると人々の生活が向上するので小奇麗な身なりをしてる人も出てきますが、基本農村や貧しい人なんか、おんなじ着物を着ていたんだと思います。
夜とか真っ暗です。マジに松明を灯りにしてます。

マジにちょんまげやってマス!

有名な女優や俳優を起用して、彼女らを美しく、可愛く、かっこよく撮ろうとしているのが普通のドラマだとすると、この番組は徹底的にリアルさを追求しているんです。
だからこそ、ドキドキハラハラするし。
だからこそ、本気の役者さんの演技に息を呑むし。
だからこそ、懸命に生きる普通の人が、時々キラッと光って見えるし。

マジ褌。そしてマジで運んでます。


なんかね、先祖の知恵にも感心して尊敬するし、どんな逆境の中でもたくましく生きていった名も無き人たちの先に、この社会があるんだなぁと思う。
どの回の登場人物も、超人みたいな人はいなくて、弱いところもあれば泥臭いところもある、優しいところやイライラさせられるところもあって、すごく“普通”の人たちなんだ。ほんで、その“普通”の人たちが、めちゃめちゃかっこいい。

毎回最後はドラマっぽく、後味よく終わってくれるのもいい。
いつも、時空を旅するジャーナリスト役の要潤が主人公たちにお礼を言って、彼らのうしろ姿を見守るのがパターンなんやけど、一山越えた彼らの背中はなんか逞しくて、余韻に浸ってしまう。

笑顔いっぱいの子供たち



私の誕生日にJohnがこのDVDをプレゼントしてくれたんやけど、実は私も気になりつつほとんど見逃してて、見れば見るほどはまっていってしまってます
自分でもさっそく3を注文しました。
日曜日に同じTSH好きの友達と鑑賞会を計画してます(^-^)


タイムスクープハンター [DVD]タイムスクープハンター [DVD]
(2009/10/23)
要潤

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タイムスクープハンター シーズン2 [DVD]タイムスクープハンター シーズン2 [DVD]
(2010/11/26)
要潤

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最後に、最近のサチコはいどーぞ。



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はだかの王様から見えてくること
最近、英語の勉強でアンデルセンの「はだかの王様」をシャドーイングしています。ナレーターの声に合わせて一緒に読みます。そうすると、単語・発音・リズムが同時に身につき、一石三鳥です。

私、この物語大好き。
めちゃめちゃ深いと思う。

内容はみんなもご存知、家来よりも国政よりも服が大好きな王様が、悪人に騙されて、“愚か者と職に不相応な者には見えない”という服を着たつもりになって、裸で町を行進するんでしたよね。
内容はシンプルなんですが、それゆえに想像の幅も広くて。

この詐欺師たちは、めちゃくちゃな政治をする王のせいで、辛酸をなめている少数民族の代表者なのか、とか、もしくは、政治オンチの王のせいで、めちゃめちゃ理不尽な扱いを受けた末端の部下ではないか、とか。国中を手玉にとるのですから、相当綿密に作戦を練ったはずで、そこまで危険なことをさせるのはやっぱり復讐心か、革命を誘導する意図があったからだと思うのです。

きっとこの二人の詐欺師は、神秘のベールに包まれた異国の服を着ていたに違いありません。そして、王が服の“バカと職にふさわしくない者には見えない”という驚くべき特性を信じるように、いろいろと細かく根回しをしてあったかもしれません。
とすると、城の内部に協力者がいたはずで、ミッションイパッセボーに匹敵するスパイ映画にもなりそうです。


特に、詐欺師達が王を出し抜いていくやり方の巧みなこと。
王の懐に入るために、オシャレに目がない王の心をくすぐって、宮廷に入り込みます。そして、空っぽのはた織機を前に立ち尽くす、視察に来た王の腹心の部下に、こう言います。
「大臣さま、この布をお気に召しましたでしょうか?」
官職を失いたくなかった大臣は、とっさに嘘をついてしまいます。

次の使者にはこう言います。
「あなた様には、大臣閣下と同じほどこの布が美しく見えましょうか?」
こう言われると、大臣よりも位が低い部下も嘘をつくしかないでしょう。

そして、この二人の部下は、自分にはちゃんと見えていることを証明しようと、王の前で進んで詐欺師達の仕事ぶりを褒め、布の美しさを語ったのです。
こうして、二人の部下が褒めまくった布が見えないとは言えない王も、存在しない布を褒め、大げさに詐欺師達に「王室御用達機織職人」の称号を与えたのです。

選りすぐりの家来達、ついに行進を見た町中の人たちが、誰しも大声で王の新しい服を褒めました。それは、誰もが「本当はコイツ馬鹿なんだ」と思われることを恐れて、仕事を失うことを恐れてのことだったのです。実際にはない服が、今までのどの衣装よりも人々を感動させました。
そして、その空気を破ったのは、一人の子供-「でも、王様は何も着てないじゃないか!」-でした。


私は、この後この王がどうなったかがすごく気になります。
詐欺師達に“王室御用達”の称号まで与えたのは王ですし、そもそも王が家来達よりも服の方を大事にしていたから、家来たちが王に自分の見たままを言えなかったのでしょう。
王が反省してりっぱな君主となったら、詐欺師達は国中を手玉にとった英雄として、語り継がれることでしょうし、王が何の反省もなく、家来達を追放したとしたら、それこそ国中で暴動が起きかねません。



そして、わかりますよね、この物語が、群集心理を見事に言い表していることに。


現実の私たちの世界が、この物語と見事に符合していることに。


それは、とっくの昔から破綻が指摘されている資本主義経済や、そして今の日本にいたっては、放射性廃棄物を処理する術もなく地震列島に立ち並ぶ原発そのものなのです。
「電気が必要だから」「経済にとってなくては困るから」「安全だから」という文句に騙され、処理のことも、作業員の被爆のことも、事故が起きたときのことも考えず、ただ流されていました。そして、国土の何割かを永久に失ってなお、政府は再稼動へ向けて歩んでいます。
国民達が、「そうだ!王様は何も着ていない!!」と全員で叫んでいるのに、一度始めた行進をやめられません。

税金を湯水のごとく詐欺師達に与えた王は、心を入れ替えるか、そうでなければ国民から追放されてしまうでしょう。
利権から逃れられない政府も、やがてはそうなるのです。

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読書ブーム中間報告
なんかFC2ブログをiPhoneから投稿しようとしたら、今回のバージョンアップが完全に”いらんことしい”で写真がめっちゃでかくなる。
(「いらんことしい」・・・土佐弁で、必要ないことばっかりするひとのこと。)

しょーがないき、読書熱の間に私が読んだ、「コレはよかった!!!」って本を紹介しちゃる。

・*東野圭吾 『天空の蜂』 講談社文庫
天空の蜂

内容はね、「安全を誇る原発に、ヘリが墜落したらどうなるか?-それも爆弾を積んでいたら?」っていうテロリストからの社会への問いかけがテーマ。
東野圭吾というよりは、福井晴敏の『亡国のイージス』にも似た、スリルと緻密さと読者への揺さぶりが圧巻で、面白かった。
レスキュー隊の活躍とか、知能犯三島と雑賀の策略とか、あと日本の最新技術を駆使して生み出したヘリとか、私の萌ポイント盛りだくさんやった♪
そして原発事故というあってはならない事態を経験している私達にとって、内容は非常にタイムリーだし、三島の想い、「原子力政策から国民全体が下りようと思えばおりられる、だが原発の恩恵を受けるならば、国民全てがもっと危険な部分や闇の部分も含めて知るべきだ、そして責任を抱えて生活していくべきだ。―」との考えも身につまされるものがありました。

原発を巡って、技術者の子どもで反原発派の人たちからいじめを受けて死んでしまう子供や、また原発推進派の嫌がらせで心に傷を負った家族、白血病で亡くなった労働者、原発ジプシー、本心から日本の将来のためと考えて原発を推進する人たち、ちらりちらりとですが様々な立場の人が出てきて、一人ひとりの言い分に思いを傾けたりして。
非常に濃い内容の本でした。


*東野圭吾『手紙』 文春文庫
手紙

本を読むことで世界が広がるっていうけど、これはまさにそういう本でした。
私の周りには、身内が犯罪者で服役中の人間はいないので、そういう家族の人たちの生き様を想像したこともありませんでした。
主人公は両親の死で、兄と二人で生きる高校生。肉体労働で身体を痛めた兄は収入を断たれ、弟を大学に行かせるために強盗に入り、その家の老婆を殺してしまって・・・っていう、悲しい設定。
世間の冷たさや厳しさに揉まれながら努力を重ねる主人公や、唯一の世間との接点である弟の手紙を狂おしく待ち続けるお兄さんや、ミュージシャンの夢を追って歳を重ねる友人や、いろんな人の人生が泥臭くって、悲しくって、純粋で・・・。
主人公の周りに、あからさまに差別をする人は意外とそんなにいなくって、みんな不幸な境遇の主人公を気にしながら遠巻きに囁き合う、って感じです。多分私も、こういう人が身近に現れたら、そういう風なポジションになってしまうな・・・って思いました。

よく、金田一一が「やり直しのきかない人生なんてないんだ!」と高校生の分際で犯罪者達を説教してますが、犯罪を犯す、ってことの重大さを考えさせられた作品でした。


*エリザベス・ムーン 『くらやみの速さはどれぐらい』 海外SFノベルズ
くらやみの速さはどれぐらい

何年後かの未来、自閉症者たちは早期の治療によって一般の人と同じような状態を手に入れている、という世の中で、その治療が間に合わなかった最後の世代の自閉症・ルウが主人公。幼い頃からの教育プログラムで、かなり高度の社会生活がおくれてるって設定。
物語の大半はルウの目線で、友達とかわした何気ない一言とか、音楽や光や人の動きからどうやってパターンを見つけ出しているかとか、自閉症に無理解な上司への混乱とか、日常の葛藤とかを一つ一つ書いているので、なかなか話が進まん。けど、その視点が斬新で、この本の醍醐味でもある。

作者は自閉症児の母で、さらに当事者や支援者から長いこと取材をして、参考にしたエピソードを作品に盛り込んでいったんだと思う。
自閉症者達が見る世界が、本当にこの本にあるように、不可解で、そして美しかったら。
私もその世界を見てみたいって思いました。

『アルジャーノンに花束を』とよく比べられてたけど、私は後味の良さからこの作品の方が好き。


あと、どーしてもタイトルと作者が思い出せんけど、他にも良かった本はある。
それと、せっかくやき、がっかり本も言うちゃお?


*『モダンタイムズ』井坂幸太郎 Morning NOVELS
モダンタイムズ

まずタイトルと内容があんまり関係ない。あと、主人公の奥さんがサイコパスで、身体的に痛めつけられながら奥さんLOVEな主人公の気持ちが解らん。
てかこの主人公は、拷問中も、オバさんに誘惑された時も、浮気相手が失踪した時も、常に「やれやれ....」ってテンションで全く覇気がない。それゆえ、ストーリー全体に盛り上がりに欠ける。ほんで常に心の中だけでグチっぽい。

作品の中で、よく「組織的な凶悪犯罪は、悪人の個人的な意思でなされるんじゃなくて、ただ一人ひとりがシステムに乗っかって、部分的な仕事をしてるだけ」って解釈が出てくる。
でも、作品に出てくる犯罪は、どー考えても裁き様があるし、明らかな悪意を持って遂行されてるし、関係者を縛れば止められるって解る。だから、主人公たちが立ち向かう犯罪と、上記の解釈は噛み合ってない気がしてならない。


*『さまよう刃』東野圭吾(ばっかりやん!) 角川文庫
さまよう刃

東野圭吾読みやすいけど、これはいただけません。
テーマは、少年犯罪。
強姦を繰り返す少年に、娘を殺された父親が復讐の鬼となって、少年を追うお話。この少年は最後の最後まで鬼畜として描かれてるのに、無傷で助かったのは少年で、父親は警察に撃たれて死ぬし、東野圭吾何がしたいんだ。
と、理解に苦しむ作品。
たぶん、作者は、読者の想像を最後まで裏切りたかったからこういう結末にしたんやろうけど、後味の悪さは半端ない。

あ、因みに三島由紀夫の『午後の曳航』も、出てくる子供が全員サイコパスで気持ち悪い内容やったけど、法律を勉強してた彼だから、今から40年も前から少年法の穴を突いてたのだ。

とにかく、少年だろうが強姦と殺人には実刑を科してほしい。長い将来の更正を期待しての甘い措置なんだろうけど、更正する保障もないのにシャバに戻したら、次の犯罪の被害者を生むだけのことになるからだ。それこそ、『くらやみの速さはどれぐらい』の中では、犯罪者は頭に怒りなどの感情をコントロールするチップを埋め込まれることによって、懲役も裁判もなく社会復帰できるんやけど、すんごいいいシステムだって思った。


*『ぼくらの秘密』(作者忘れた。検索でも出んかった。もしかしたらタイトルも違うかもしれん。もうどーでもいい。)

設定はよ、何故か突然、主人公だけが午前11時33分で時間の流れが止まる。日も暮れないし、テレビも同んなじ放送の繰り返し。でもそんな時、その状態を共有できる女の子が現れて...
って、斬新で面白そう。
読んで解ったことは、

「ああ、作者気が触れてたんやな。」

ってこと。以上。


良かった本、沢山あるけどとりあえず今はこんな感じです。
今は宮部みゆきの『ドリームバスター』読んでます。また大絶賛の本、うんこ本、出会えたらまたUPしますヾ(@⌒ー⌒@)ノ
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